◆2017年「賀詞交歓会」にてスピーチした内容を一部加筆して下記に纏めます。

『変革の時代、自分も変化しよう!』

みなさんは、どんなお正月でしたでしょうか?

今年の正月は本当に穏やかな陽気で青空に恵まれ、皆さんものんびりしたお正月を楽しまれたのでは、と思います。
今年は「酉年」ですが、日本での過去の記録を見ると、どうも政治面で大きな変動が起きているようで、今年はあまり安泰では無いかも知れませんね。
現在は大きな変革の中、つまり「混沌とした時代」の真っ只中に居るのだ、と言われています。そこでその【混沌とした変革の時代】とは一体どんな状態なのかを、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。一方的なお話しだと分かり辛いとおもい、図示しましたので、まずは<図-1>の【メディアの変遷】の説明から話しを始めましょう。

「メディア」とはご承知のように、「情報の伝達の手段、媒体」をいいますが、ますは<A図>の方をご覧ください。

                  <図ー1>
人類が地球上に誕生して「言葉」を使い始めたのが今から1万年前と言われています。文字が発明されたのが6000年前、そして2000年前ほどに「紙」が発明され会話を書き物として残す事が出来るようになったのです。

1445年ドイツのグーテンベルグによる「活版印刷技術」の構築により一人から大勢の人に情報を伝えることが出来るようになりました。この後1871年に「郵便制度」の確立により情報を離れた地に届ける事が出来るようになったのです。1876年に米国にてベルが「電話」の発明により、ここで初めて人と人の間で同時両方向の情報交換ができるようになったのです。そして1925年にラジオ放送が、1953年にTVの放送サービスが提供されて、音声そして画像の情報が一瞬にして不特定多数に伝えることができる時代になったのです。ここに至るまでに1万年以上も掛かっているのです。

さてそれでは次に「インターネットの世界」を見てみましょう。<B図>側をご覧ください。ネット上での“言葉”の約束事(プロトコル)「TCP/IP」と“文字”「HTML」が編み出され、1970年代に世界の大学や研究所を結んで情報交換(パケット通信ネットワーク)が構築され、また「パケット通信技術」を米国国防省でも活用し(「ARPANET」)、その技術が民間で使われるようになると「インターネット」として急速に発展し、「電子書籍」や「電子新聞」更には郵便に当たる「Eメール」、音声伝送の「スカイブ」そして音声/画像電装の「ユーチューブ」などの技術が開発されました。そして今ではブログやチャットなどのSNS機能がどんどんと多様化して来ています。

ところでこの「インターネット社会」において、どのように社会や組織が変わって来ているのかを図で説明しましょう。それでは下図の<図-2>【親分子分型社会と寄り合い型社会に就いて】をご覧ください。

                 <図ー2>
右の図は「親分子分型社会」すなわち「中央集権型組織」を図式化したものですが、つまり国家企業とかカリスマ的大企業が中心となりその周りを同資本下の子会社や下請け企業がぶら下がっている(衛生企業群)型で、これまではこの型が主流でした。しかしインターネット時代が到来すると、型が右に示したようなメッシュ・タイプ、すなわち「寄り合い型社会」あるいは「権利分散型組織」がどんどん増えて来ています。その2つの形態の違いを項目別で比較した図が次の<図-3>です。
                   <図ー3>
インターネット時代では、これまで勢力を張っていた大企業/大組織は目覚しく変化してゆく時代には荷が重すぎて即応が取れずに次第に勢力を失って行くと考えられます。卑近な例を挙げますと、「電力供給」はこれまでは水力発電なり火力や原子力での発電もその発電所を作るのに大資本が必要となり、資金力のある国家企業や大企業が手がけてきている訳ですが(これが「中央集権型」)、これからは「地産地消」の型となり、自分で電力を起こし、余ったら足りない仲間に融通し合うという、本当の「スマートグリッド」方式が形成さて行くでしょう(これが「寄り合い型」)。このような「寄り合い型」に私たちを駆り立てるのは、これまでは私たちがお金によって「満足」が得られると思い込んでいたが、お金では本当の充実した満足を得ることが出来ないことに気づき、これからは人のために貢献することが本当の「満足感」に浸る事が出来ると多くの人々が考える様になって来ているのです。

上述したように1万年以上も掛けて進化して来た「メディアの世界」が、インターネットの世界では何とわずか30数年で進化してしまったと言う事で、この先どうなって行くかは誰にも分からない訳です。

しかし世の中が急速に変化していると言うことは事実ですので、この変化を受け止めて自分も変化して行く必要が有るのです。つまりは「今まで通り」ではいけないのです。

周りが変わっているのですから、自分もそれに合わせて進化してゆく(変化してゆく)事が大事なのでしょう。さもないと「戦い」には負けてしまうからです。

あの有名な「ダーウインの言葉」が耳に刺さって来ます。

  『最も強いものが生き残るわけではなく、 

  最も賢いものが生き延びるわけでもない。

  唯一生き残れるのは 変化できるものである。』

「変化できるもの」とは? そこで3年前(2014年)の「賀詞交換会」でも話させて頂いたのですが、リクルートから杉並の中学校に校長として赴任した事で一躍【時の人】となった「藤原和博」氏が自分の中学校での体験から【自分を変える】ヒントを述べていますので、もう一度ここでその【3つのヒント】を挙げてみます。

それは;

@ 「正解主義」 から 「失敗主義」 へ

   失敗を積み重ねた先に「成功」が見えてくる。

A 「前例主義」から  「修正主義」 へ

   過去の例に習うのでは無く、おもい切って変えて行くこと。

B 「事なかれ主義」から 「ことあれ主義」 へ

   波風を立てることを恐れる事なく、自分がこれだと思ったことに挑戦する勇気有る態度。

今年は、是非皆さんと一緒に【自分を変革する】年としたいものです。

以上で私の話を終わりますがご静聴ありがとうございました。

<完>

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