早大『SFM研究会』にて【日本復活私論 Part II】を講演
実は今から3年半前、2011年5月16日(月)に早稲田大学・異業種勉強会『セールス・フォース・マネジメント(SFM)研究会』にて【こころの時代の到来か】というテーマでお話をさせて頂いておりました。これはあの恐ろしい出来事「東日本大震災」のあった3月11日からわずか2ヶ月後の事でした。その時のお話の内容は、
・2011年3月11日午後2時46分 あなたは? ・21世紀はこころの時代へ ・こころの癒しの重要性(鯖街道のDVDを上映) |
・インターネット時代と権限分散型社会(寄合型社会)について ・シルバーエイジ、活躍の時代へ(メンター・メンティ制度の紹介) その講演の後で私はインターネット上で「Y染色体ハプロタイプの研究 日本人のルーツが明らかに」という記事に巡り会えました。それを読んで行くうちに、やっぱり日本人は中国人や韓国人とは違うのだと確信出来たのです。東北地方を襲った3・11の大災害の時のあの冷静沈着な日本人の行動を見て、何かが違うと思っていた矢先に「Y染色体ハプログループの研究」に巡り会って「やっぱり違っていたのだ!」と意を強め、よしこの事を皆に知ってもらおうと、2012年9月11日に『SFM研究会』に於いて【日本復活私論】の講演をさせて頂きました。その時のお話の内容は次のようなものでした。 ・ 「こころ」とは ? ・ 日本人はどんな民族なのか? ・ 歴史は繰り返す ・ 万物のサイクル:誕生→成長→成熟→衰退→終焉 ・ 日本人よ、「森の民」に戻れ! ・ これからは日本人にピッタリの『寄り合い型社会』の到来
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実は【日本復活私論】については2012年6月にNPO『生まれ育ちとこころを学ぶサンの会』(以下「サンの会」と略す)にて最初の講演をさせて頂き,この年には『SFM研究会』も含め4回の講演を行っております。 2013年に入って多くの方々から【日本復活私論】の続編が聞きたいとお話を頂き、2014年2月に『サンの会』にてその<Part II>をスピーチする機会を頂きました。そして『SFM研究会』では今年の11月13日に<Part II>を次のような内容で話させて頂きました。
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・日本人はY染色体ハプログループ分析で「Dタイプ」の特異な人種 ・日本人は「森の民」であることの再認識 ・日本人は「ソフトパワー」の持ち主 (日本人は「左右脳」という特異な脳の持ち主) ・復活の原動力は『日本人文化』なり 実はこのスピーチの内容は今年の2月にNPO【サンの会】にての講演とほぼ同じですので、ご興味有ればHP<エッセイ>欄の『NPOサンの会で2回目の講演【日本復活私論 Part II 】』をご覧ください。 |
ここではこの講演にて新しく挿入されている部分「日本人はソフトパワーの持ち主」に就いて解説致しましょう。
◆左右脳とソフトパワー 地球を守るのは日本人であるという論理を2冊の本を紹介しながら説明をしました。 その1冊目が岸根卓郎著【人類 究極の研究】(東洋経済出版) この本は580ページからなる分厚い本ですが、環境問題を「文明」、「技術」、「哲学」、「宗教」、「文学」、「政治」そして「社会」の各方面から現実的に解明している本ですが、その「序論」の言葉がすべてを語っています。 ・ 文明の前に森林があり、文明の後に砂漠がのこる。 ・ 自然破壊を避難する文章ですら、緑の森林を食いつぶして |
作られた紙の上に印刷されるという事実を忘れてはならない。 ・ 質的な豊かさのみを追求する時代の科学的物質文明(物欲文明)の下では、人類は【乱開発・乱獲→大量生産→大量消費→大量廃棄】によってこの自然の緻密な生態系の秩序を大きく撹乱している。 欧米の文明、つまりは物欲文明(マネー資本主義)がすでに壁に突き当たっていることに速く気付き、欧米文明の模倣はもう止めて、日本人本来の気質に沿った生活を取り戻して行こうと言う事です。もうこれ以上地球を壊してはならないのです。そしてこの本では、日本人は「左右脳」という特殊な脳の持ち主かだら、物欲主義からの脱出が出来るのだと主張しています。その一節を次ぎに抜き出してみましょう。 『日本人の脳は左脳と右脳に回路がある「左右脳型」の特異な脳であるから、西洋人の「左脳型」とは、その機能において大きな違いがある。つまり日本人の「左右脳」は、理性的なもの(左脳の機能)と、感性的なもの(右脳の機能)を一緒にして、“あいまいに処理”することになる。その証拠に日本人は人間関係においても論理よりも義理人情を重んじたりして、西洋人に比べて論理性において曖昧である。つまりは『“論争”を好む西洋人気質と、“和”をもって貴しとする日本人気質の違い』である。このように、日本人には左右脳の持ち主であるから、理性的なものと感性的なものを一緒にして曖昧に処理するから、西洋人からすれば、日本人は曖昧でファジーに写り誤解されやすい。しかしその曖昧さこそが【日本人の天性】と考える。これからそのような「日本人の曖昧さ」が、ついに国際的にも求められる時代がやってきた。白か黒か、Yes or No,の対決を迫る西洋人の「二者択一思想」では、これから益々混沌化する現実の世界ではもはや通用しえなくなって来たのである。 |
そしてもう1冊がジョセフ・S・ナイ著【アメリカへの警告】(日本経済新聞社)であり、情報社会においては「経済力」とか「軍事力」で押さえ込もうとする戦法はすでに世界では通用しなくなり、これからは「ソフトパワー」が重要になると指摘しています。その本の中の一文を書き出してみます。
『情報革命期の今は、国力とは「経済力」、「軍事力」という【ハードパワー】だけではない。価値観、文化など、自国の魅力によって他国に影響を与え、 他国を引き付け、味方につける力【ソフトパワー】も重要な国力である。この二つのパワーを組み合わせて使って行くことこそが大切なのだ。そして情報革命、グロ−バル化が進む世界的情報時代には【ソフトパワー】が一層重要になる。』 |
つまり「ソフトパワー」をないがしろにしていたアメリカは2001年9月11日の「同時多発テロ」に襲われ、そして今現在も「テロの恐怖」から逃れられないのです。
一方「森の民」で且つ「左右脳」の持ち主である日本人は「ソフトパワー」を十分に持ち合わせていると信じます。 そして、この講演では最後に「日本人として自分自身で考えてみよう」というテーマで3つの【宿題】を出させて頂いております。その3つとは; (1) 自分の国【日本】をどう守るのか? それとも誰かに守ってもらうのか。それをはっきりさせてから「日本国憲法」をどうするか考えるのだ。 (2) 「原発」で【地球と共生】していると言えるのか? 使用済み核燃料「ゴミ」の処分ができるのか。 あなたはトイレの無い家に住めますか? (3) 「マスメディア系」はこのままで良いのか? 低次元番組の氾濫の中で家庭において子供への教育は大丈夫か。 |
この宿題に対しての「私の考え」については、機会を見つけて【日本復活私論 <Part III>】としてか、あるいは悲憤慷慨のエッセイに纏めて題名を【ふざける菜古漬け】とでも名付けてか、何らかの形で別途発表したいと考えております。
さて次に、私は日本が復活すると言っていますが、「どうして? どうやって? いつごろ?」に就いて私の考えを整理してみましょう。 ◆ どうして?
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すべての物が(有機体も無機体も)『誕生→成長→成熟→衰退→終焉』のサイクルを持っています。そして現在、人類の歴史も『終焉』から新たなる『誕生』への移行期の真ただ中で、新たな誕生を「生む苦しみ」の中に居るのです。 ところで、『新たなる誕生』が何故【日本】から始まるのか? それこそこの私論のベースにある『日本人はY染色体ハプログループの中でDタイプ』だからなのです。 日本人が本来の『森の民』の思考に戻れば、おのずと地球と共生して行く「生き方」の道を切り開いて行くのです。 これは誰か英雄があるいはリーダーが出現してそうなると言う事ではなく、Dタイプ思考の日本人の皆がその方向に舵を取って行くと言う事です。そして世界の他の民族が日本人の生き方を黙っていても真似て行くと言う事です。これが私が主張する、いずれ日本が復活し、そして世界が日本を真似て行くというシナリオなのです。
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◆ どうやって? これに就いては「こうやって」という回答はありません。上で説明したように、黙っていても世界が【日本】に付いて来るからです。 それでは何故【日本】から始まるのかを「Y染色体のDタイプで森の民」だからと言う説明以外にもう一つお話しておきましょう。 日本は温暖地域の島国であった為に、民主主義、資本主義、そして人間中心主義の実験場として最適なサイズだったのです。従ってやったあらゆる事の結果が最初に出るのが島国【日本】なのです。昨今の「民主主義」政治においても行き詰まり感があり日本国をどう守るかで悩んでいる。そして資本主義は【日本】がいち早くその完成域に到達し、つまり世界でいち早く金利ゼロの時代に突入し、いくら物を作ってもそこから正規の利潤を生む事ができない構造問題に直面し、そして人間中心主義ではアメリカの真似をした為に真っ先に壁にぶつかり小宮山宏氏(元東大総長、現三菱総合研究所理事長)が2007年に「課題先進国・日本」として問題提起をしていました。 つまり【日本】は真っ先に結果を出すので、真っ先にそれに対する方策を作り出すのです。そしてその方策を世界中が真似て行くのです。 ◆ いつごろ? |
いつ頃【日本】が復活するのでしょうか。その大前提は今の時代の「価値観」が大きく変わらねば残念ながら世の中は変わらないのです。日本は第二次世界対戦で敗れ、GHQによる統制下で受けた教育は【日本人】から歴史と神話を封印してしまい、日本人の持つ本来の気質を心の奥底に沈めてしまいました。日本人を襲った「敗戦コンプレックス」は益々「自虐史観」を増長させて、「日本人として生まれて幸せ」という考えすら希薄になってしまいました。そんな戦後教育を受けた世代(1935〜)、その親に育った「団塊の世代」(1945〜)、さらに経済大国下でその親に育った「バブル世代」(1965〜)ですが、それらの間に育った人々が日本人口の過半数を占めている間は、マネー中心とした価値観(マネー資本主義)ですので、残念ながら日本の復活は期待出来ません。 |
その後の時代はバブルが崩壊して、就職すら出来ない「就職氷河期世代」(1990〜)に突入します。失われた10年、20年と言われデフレ・スパイラルから抜けきれず不況が続きますと「浪費や高望みはせず、ほどほどの生活でいい」と考える若者が増え、それを「さとり世代」と呼んでいました(2000〜)。これを名付けたのもマネー資本主義の中に染まって育った人々が「若者よ、悟ったような態度を取るな!」と言った気分で付けたのでしょうが皮肉なものです。なぜなら「悟」とは、「欲望から生まれる迷いを去って真理を会得すること」という意味であり、「日本の復活」の原動力となる根本理念なのです。つまりは「就職氷河期世代」や「さとり世代」以降の人々の数が総人口の半数以上になる頃、価値観ががらりと変わっていて日本復活が成されると考えているのです。きっとあと40〜50年後のことでしょうか。
その頃は日本人の皆さんが、「日本国に生まれて本当に幸せ」と感じる社会になっていて、世界の人々が日本を見習っている時代だろうと思うのです。なんと素晴らしいことでありましょう。 <完> |