ハローワーク「緊急人材育成支援事業」での講話

またまたハローワークが実施している「緊急人材育成支援事業」で、今度は西新宿で行われている「初心者向けパソコン研修」の中での9月16日(木)実施の「講話」の要請を9月に入って突然に受けました。何と今度は1コマ50分の連続3コマでトータル150分を喋らねばなりません。受講者は26人で年齢は20歳代から60歳代と幅広い。講演内容を準備する時間も無いので、前回横浜・関内で行った講話内容をちょっと膨らませて何とかこなすように仕組みました。

今回、全く新しく追加した項目は『インターネット社会とは?』でメディアの進化の歴史からインターネット世界を解析してみました。兎に角受講者に飽きが来ないように聞いて貰うには、私の方から一方的に説明するのを避けて、時々問いかけをして受講者に答えて貰うような双方向コミュニケーションに努めました。お陰さまで眠っている人は居なかったようで、よかったと思っています。まずはどんな内容を喋っていたのか、当日配ったアジェンダの内容をご覧頂きましょう。

講話テーマ: 『やりがいのある仕事を自分で見つけよう』

【1時限目】 10:00 〜 10:50

◆自己紹介

◆『地球規模で変革が起きている』

 *「地球規模」とは?

 *「欧米型文明」の行き詰まりとは?

 *「日本」はどうなってしまったのか?

【2時限目】 11:00 〜 11:50

◆文化の違い (商社マン時代の経験から)

 『国が違えば文化も違う』

 *アパートは日当たりの悪い部屋の方が人気が高い(米国/シカゴ)

 *若い時に一戸建ち、年老いてからアパート住まい(米国)

 *シンガポールは大きなデズニーランドだ!

 *アメリカ人は何と合理的ケチなのだろう!

 *子供への教育の違い、佐久間のドロップと金太郎飴

 *結婚披露宴は2時間遅れでスタートとは本当?(シンガポール)

◆インターネット社会とは?

 *メディアの進化の歴史から解析

◆「ヒトデ」は「クモ」よりなぜ強い? 

 *「親分子分型社会」から「寄合い社会」へ

【3時限目】 12:00 〜 12:50

◆私の趣味 「塩の道」と「鯖街道」 に就いての解説

==ビデオ鑑賞:鯖街道DVD(2/4 & 3/4)==

◆なぜビデオを観て頂いたのか。

◆『やりがいのある仕事を自分で見つけよう』

 *挑戦することによる快感と満足度

 *地球規模の変革の時代での挑戦 へのヒント

 *「生きる」ということ

スピーチの内容は前回の6月横浜・関内校で行ったものとほぼ同じなので、ここでは新しく追加した【2時限目】での「インターネット社会とは?」に関して講話内容を書き留めておきましょう。

インターネットの歴史

1969年米国の国防総省の高等研究計画局でコンピュータの相互データ通信を可能にした「ARPAネット」の実験が成功した事に端を発しています。その後大学間で始めた「USEネット」やコンピュータ科学者が作った「CSネット」といったネットワークが徐々に形成されて行きました。そして地域的に小規模なコンピュータ・ネットワーク(LAN=Local Area Network)が無数に生まれ、それらが国内だけでなく海外とも相互に繋がり合って、現在のような世界規模の「インターネット」が出来上がりました。

日本も1984年東京工業大学、東京大学、慶應義塾大学のコンピュータ同士を電話回線で繋ぐ「JUNNET」から始まり、1986年JUNNETがインターネットに繋がり、1988年 JUNNETと民間企業を繋いだ「WIDEプロジェクト」、そして1992年民間のパソコン通信との相互接続が実現し、「IIJ=Internet
Initiative Japan)などがインターネット接続業を始め、1994年に個人向けサービスが開始され現在に至っています。

他メディアとの比較とインターネットのメディア的特性について

メディアの変遷を考えてみますと、人類史上まず重要な出来事は「文字の発明」でありましょう。文字によって事柄を書き残し、そしてその書かれた内容を他者と共有が出来るようになります。つまり文字は人と人を繋ぐもの、すなわち「メディア」として働き、文字を通しての概念の共有が「文化」を生んだのです。その後「紙の発明」がメディアを飛躍的に拡大させて行きました。私達はこの紙に書かれた文字により、現在でも古人の思想や生活を知ることが出来るのです。

それから数百年後「活版印刷技術」が発達して、それまで模写は人の手で行われていたのですが、この活版技術でテキストを何千、何万という単位で安価に複製が出来るようになりました。これによって「書籍」や「新聞」「雑誌」といった媒体が発達しました。

19世紀になると「電話」など「電子メディア」が発明されて、さらに概念の伝達を遥か彼方の地までを可能にしたのです。そして「紙メディア」として「郵便制度」が発達して伝達の時間はその距離に比例して、遠くに届けようとすると何日もかかるが、一方電子メディアはどんなに離れた地でも瞬時に双方向で情報を交換できるようになったのです。

さらに電子メディアは広範囲に同時的に伝える「放送技術」が生まれ、音声のみの「ラジオ」から画像伝送の「テレビ」へと変遷して来たのです。

インターネットはこのすべての特性を全部備えた画期的なメディアと言えましょう。

過去のメディアの変遷の姿を縦に、その横にインターネットの世界がすべての特性を包括している姿を対比して描いたのが左図です。

つまり「インターネット」は手紙、電話、FAXのような、個人性、双方向性、および、マスコミュニケーションのような、不特定性、多方向性を併せ持ち、保存が容易であり、映像、音声を組み合わせられ(マルチメディア)、そして安価で個人的に行うことが出来る点が特徴と言えましょう。

最後に「インターネットの特徴」を纏めますと;

  @多くの人に見せても費用は変らない。

  A一人が見る情報量が少なくても多くても費用は変らない。

  Bサーバーを読むために訪れる者が通信の費用を負担する。

 (参考) Dion HP din.or.jp/~ladd/iinkai1.htm

その他の項目の講話内容は2010年6月の『初心者向けパソコン研修においての講義講話』をご覧下さい。

<完>

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