ハローワーク緊急人材 育成支援事業
初心者向けパソコン 研修においての講義 講話: 『やりがいのある仕事 を自分で見つけよう』 (平成22年6月17日) |
日本政府が失業者に対して就職し易いように技能をつける目的で「失業保険に職業訓練を併用」した事業を全国展開している。このスキル習得訓練コースとは、「受講料が無料」で「生活費が支給」されるというもので、職業安定所で受講希望者の第一審査が行われ、そして契約先のパソコン・スクールにて第二審査が行われ、そこで選ばれた人が受講出来るのである。 今回は横浜で行われている訓練コース(5月27日〜8月10日までの3ヶ月間)の中での講話(50分X2コマ)を要請され、6月17日(木曜)15:30〜17:20(間に10分休憩)にお話をして参りました。 講話は『やりがいのある仕事を自分で見つけよう』という題名でした。ここにその講話内容の要点のみ抜粋してみたいと思います。 生徒は29名で 年齢が20歳代〜60歳代と年齢層が幅広い為に、全員の皆さんに興味を持って頂く内容にするには中々難しいものがあります。そこでなるべく飽きが来ないように話の内容には十分注意を払いました。それではその骨子を書き留めて置きます。 |
<<前半>> 15:30〜16:20
◆ 講話者プロフィール これから皆さんの前でお話する人物はどんな人なのか、これを紹介せねば失礼にあたりますし、またこれからお話する内容に信憑性を感じて貰えない恐れが有りますので、簡単に私の経歴を説明をさせて頂きます。 (1) 地球規模での変革の時代 (何がどのように変わっているのか) 21世紀は情報革命の中にあり「インターネット社会」というグローバルで、国境はなく、ユピキタスな社会が到来し右往左往しているのが実状でしょう。従って起きる現象がすべて「地球規模」で瞬時に起きます。地球温暖化、ウイルス問題(インフルエンザ蔓延や今回の家畜口諦疫問題など)、通貨危機、オイル危機、アイパッド、アイホン4などの出現などなど過去に経験したことのない問題や新技術が襲ってきているのです。ところで【地球規模での変化】を理解する為に私は<添付―1>のような図を作ってみました。 |
これで何が言いたいのか。一番上の横棒が地球の誕生から現在に至る46億年の歴史です。 そして左側の縦の太線は現時点を意味します。一番上の横棒の左隅を見ますと3000万年前の霊長類が誕生してから現在までの間は横棒の左に幅が1mmほどになっています。これじゃその間を表現できないのでその3000万年を拡げて2段目の横棒にしました。それでも人類が言語を使うようになった1万年前から現在までもやはり1mmほどの幅になってしまいます。それではその間が詳細に見えないのでその1万年を拡げて3段目の横棒にしました。 |
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<添付ー1>地球46億年の流れ(拡大図はここをクリック)
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それでも西暦0年が左4cm位の部分ですので、これも拡げて4段目の横棒にしました。この4段目でやっと西暦2000年の間の歴史をある程度眺めることが出来ます。
この図は何を意味するかと言いますと、地球上の自然は46億年を掛けて現在の姿を作り上げて来たのです。それを人類はわずか1万年位の期間でその地球をぶち壊そうとしています。と言うことは地球規模的に言いますと、地球が無くなるわけでは有りませんから、人類が生きていく為の地球上の自然環境が無くなる事ですから、人類が地球上から消滅するということに他なりません。つまり人類が自分の手で滅亡してゆくと言うこと、つまり地球規模的に言えば46億年の中での「人類の滅亡現象」などはほんの一瞬の出来事に過ぎません。つまりこの図の左端のコンマ数ミリの中での出来事なのです。 (2)日本の行き詰まり現象(日本はどうなって来てしまったのか) さて地球規模での変革の時代に日本はどんな状態に置かれているのでしょうか。それでは私の考えを話させてもらいます。つまり欧米型文明 (人間中心主義、利益優先主義)が生き詰まっている→日本は明治維新以降、この欧米型文明に憧れ真似るようになった→従って日本も欧米同様行き詰まり現象に直面しいる――と言う解釈です。 ●この辺のところは5年前の専門学校でのスピーチにても述べていますので、ここでの詳細説明は省略します。興味ある方は<私のスピーチ>【企業不祥事と継続企業の条件、21世紀はこころの時代】をご覧下さい。 日本人はそもそも「森の民」(照葉樹林文化)だったのだから、「八百万の神信仰」を取り戻し地球に優しい生き方を追求すべきと考えます。それは日本歴史上で最もエコ社会であった「江戸時代」に学ぶことが多いと思います。 その一例を江戸時代の「着物の一生」で解説致しましょう。つまり 『桑畑→生糸→反物→呉服→富裕層の使用後→古着市→長屋の住人が購入→衣替え(綿 入れ〜袷〜ひとえ)→下着・産着→おしめ・雑巾→薪の代用→灰→桑畑→この循環』 から分かるように現代の【使い捨て社会】ではなく、江戸時代の【使い切り社会】のすばらしさを物語っています。 ●この辺の図と説明は2009年9月SFM研究会でのスピーチ【近代文明からのしっぺ返し】にて述べておりますので、ここでの詳細説明は省きます。関心ある方は<私のスピーチ>欄の【近代文明からのしっぺ返し】をお読みください。 そして江戸時代に学ぶものとして「エコ社会」以外にもう一つ「教育力」と言うのが有ります。江戸時代には一村に一つか二つの「寺子屋」が在ったといわれ、村数からすれば全国に6万以上の寺子屋が在ったことになります。更には藩には「藩校」というものが在り、武士の子供達は藩校で、平民の子供は寺子屋で勉強していたのです。大事なところはしつけ、礼儀作法を通して一人前に育てる教育が施され、あくまでもしつけや礼儀を身に着けた者だけが「読み書き」や「算用」を学ぶ資格が有るとされていました。この辺が江戸の「教育力」なのですが、現在の日本では子供に対してキチットしつけや礼儀の教育が施されているのかはなはだ疑問です。 (3) 「親分子分型社会」(中央集権型組織)から「寄り合い型社会」(権限分散型組織)へ 世界は欧米の一神教の元の文化「人間中心主義」(人間が自然を支配して生きて行けるという判断)には限界があることに気づき始めてきました。つまり文明が高度に進化して行くと強者/弱者、金持ち/貧困、高等/下級の極端な二極化が起こり、結局は物の豊かさのみを追求した為にこころの貧しさが顕著に現れる結果となります。そんな状態が現在の先進諸国を襲っているのです。それに気づき始めた人類は、便利/楽の追及だけでは仕合せになれないと気づき、これからは「こころの充実」をも追求して行く事になるのでしょう。従って「21世紀はこころの時代」と言えるのです。 更には、グローバルな時代の到来は社会の構成すらもダイナミックに変えてゆくでしょう。従来の「中央集権型社会」からインターネット環境の下で「権限分散型社会」なって行くのではないでしょうか。そして興味あるのは、米国人が『ヒトデはクモよりなぜ強い』という題名の本で同じような事を言っていることです。 ●この辺は<私のスピーチ>欄の【私のメンター体験談】の中で図解説しておりますのでご興味ある方はそちらをご一読ください。 |
<<後半>> 16:30〜17:20
◆ ビデオ『鯖街道・一人行く』の鑑賞 (5分) それでは後半の講話に入ります。皆さんは午前11時から授業が始まってもう相当に疲れてきていることでしょう。本日最後の授業であるこの講話はリラックスに進めてまいりましょう。そこで最初に5分ほどのDVDを観ていただきましょう。これは私の創った作品で題名は『鯖街道・一人行く』です。作品は4つの部分から出来ていて全体で20分のDVDですが、今回はその2/4の部分を観て頂きましょう。 その前に私の趣味についてお話しましょう。私は「一人で誰も歩いていない古道を歩く」のが好きなのです。その理由は「私ひとりを自然の中にスッポリと浸したいから」です。<前半>の講話の中で出ましたが、やはり私も「森の民」なのかも知れませんね。 「鯖街道」を説明する前に、5年前に歩いた「塩の道・一人行脚 350km」についても簡単に説明しておきましょう。 ●ここでは塩の道および鯖街道の説明は省略します。 さてそれでは【超癒しバージョン】として製作したDVD『鯖街道・一人行く』を音楽と共に楽しんでみてください。BGMは松居慶子さんのピアノ曲です。さて皆さんの疲れが少しでも癒されるでしょうか? |
(4) なぜこのビデオをご覧頂いたのか。 さて如何でしたか。癒されましたか。 皆さんにこのDVDを観て頂いた理由が二つあります。 その1)自分のやりたいことには挑戦する 私は先ほど言いましたように「誰も歩いていない古道を歩く」のが好きです。従ってそんな古道を その2)無料のソフトを大いに活用する デジカメで撮った写真をスライドショーのように繋げて、そして写真を左右、上下、前後に移動 (5) 挑戦者の快感と満足感について 講話の<前半>でお話しましたが、【インターネット時代】の到来と同時に【地球規模での変革】に突入、世界中で政治、経済、教育、文化、何もかもが壁にぶち当たっているような情勢です。しかし、地球の成り立ち、人類の歴史から眺めれば、瞬間的に起きている一現象と捕らえて、何もそんなに悲観的に生きることは無いように思います。大きな流れはひとり一人では変えられませんからね。しかしだからと言って「だまって静観」ではダメで、挑戦者になってください。 映画「ライムライト」の中、チャップリンのセリフに こんなのがあります; 「人生に必要なものは、“勇気”と“想像力”と“ほんの少しのお金”である」
それでは、挑戦者になるヒントを述べてみます。 ◎皆さんと、それぞれの生まれた時から今まで、同じ人はいない。 →従って自分を他人と比較しない。 ◎生まれ落ちた以上、一人では生きてゆけない。 →従って人の為になる仕事を見つけ出す。 ◎その仕事に一心に取り組んで(挑戦)、人様の喜びの姿を見て感謝する。 →これが自分の「遣り甲斐感」であり「満足感」となる。 (6) 地球規模問題とこれからの挑戦 講話<前半>でもチョトお話しましたが、「インターネット時代の到来」は『グローバル化』、『ボーダレス化』、『ユピキタス社会』を生み出して便利な合理的社会が到来したようですが、その一方で「地球温暖化問題」、「ウイルス問題」「通貨危機」「デフレスパイラル」「教育問題」「ストレスと自殺」などなど問題が多発、身近でも 「就職難」「収入減」と言った問題に直面しています。 「こんな時に 何にどのように挑戦するのか」についてのヒントを述べてみます。 (1) まずは自分を自分で知ること。 →何が好きで、したくて、得意で、遣り甲斐を感じるのもは? (2) そしてそれをするには、いろいろインターネットで調べてみる。 →【この指とまれ型仲間】と会って意見を交わして、遣り甲斐感がありそうなら、その活動に (3) その場合、自分の故郷、友人などを十二分に活用する。 →これからは大都市中心主義ではなく、【地域分散化】が盛んになる。 (4)このプロセスにおいても、自分の「遣り甲斐感」に重心を置き、「収入・金銭面」は「最低限 (7) 「生きる」という事 = 遣り甲斐感のある仕事に出会うこと 話が坊さんの説教じみて来ましたが、この世に生まれてきた以上、くいの無い人生を送りたいものですよね。そろそろ、今までゴチャゴチャと述べてきた内容を纏めたいと思います。話が堅すぎて皆さん肩が張ったようですので、最後はちょっと皆さんの気持ちが楽になるようなお話をして、講話の最後とします。 ◆自分が生まれたくてこの世に現れたわけではありません。 ◆しかし神様は今ドキドキと規則正しく、ひと時も休むことなく脈を打っている心臓を私達に与えてくれま ◆しかし(武者小路実篤が言っているように)人間はいつかは死ぬのですから、考えを 「生れ落ちた ◆それなら、その生かされた期間は、人々に喜びと愛を与えるために一生懸命に仕事をしようと考 ◆他人と比較せず、自分に合ったサイズの仕事を探し出して、それに邁進すればおのずと仕合せな 是非、今回のパソコン研修を受けた機会を生かして、次のような事を考えてみてください。 ◎今回勉強をしてみて、自分はパソコンが好きになれたか、 ◎自分に合った仕事の中で、どのようにパソコンを生かしていけるのか、 ◎ その為には次に何を勉強して行けばいいのか 他人と比較せず、ごまかしを居れず正直に考え、是非自分が感じる「遣り甲斐感」を求めて、仕事を見出してゆく努力を重ね、勇気を持ってその道に挑戦してください。 その為には 最後に一言、 インターネット時代は「便利・楽」を提供します。机の上でパソコンを開いて検索すれば、どこにも行けるし、なんでも調べられるし、いろんなエンターテインメントも楽しめます。しかし机の上に座ってパソコン画面を観ての操作だけでは、道は開けません。 パソコンから得た情報で興味があった事には、 現場に飛び込み、 そこで多くの意見を聞き、 本当の生の情報に触れて、 その上で 「他人が喜んでくれる、そして自分が満足感に浸れる仕事」に挑戦してみてください。 ご検討をお祈りし、私の講話を終わります。 長時間のご清聴ありがとうございました。 <了> |