東電汚染水と「処理計画私案」

東京電力福島第一原発の敷地内には放射能で汚染された水(汚染水)がたまり続けており、後2年足らずでタンク(1000基)が満杯になってしまう。政府・東電はこの汚染水をどう処理するか真面目に検討しているのであろうか? この対応の進捗状況を国民に公開して行くべきだと思うのだが、何の情報も聞こえてこない。

そこで心配になって、これまでの情報をネット上でチェックしていると、全く信じられない事を知った。集まった汚染水は「トリチュウム(三重水素)」だけを含んでいる物と思っていたが、なんと現在溜まったおよそ100万トンの汚染水の内、8割ほどの75万トンは基準値以下に取り切れていない放射能成分を含んでいる事が分かったのだ。
「ふざける菜!」

この汚染水からトリチュウムを除いた62種類の放射性核種を基準値以下に取り除く装置を【Alps】(右写真)と言うそだが、2018年9月、東電はその内の8割が基準を満足していない事を公表した。そして2019年12月23日、国の小委員会が突然汚染水の処理法として、「海洋放水」か「大気放出」か、その組み合わせという3案を出してきたのだ。そして驚いたことに基準を滿足していない汚染水は放出時に基準内に収めて排水するから問題はない、などと勝手なことを言っている。 「ふざける菜!」

所で、普通に稼働している原子力発電所からでも、トリチュウムを含んだ水は排出されているそうで、東電の8割の汚染水もまずは当初の規定内の汚染水にした後に、トリチウム濃度を普通の原子力発電所からの排水と同程度レベルにして海へ放水すれば問題は無い事になる。そこで、一番注意せねばならないのが ”風評”なのであるから、順序建てて地元民や一般市民に疑われないように、進捗状況を一般公開しながら東電・汚染水の”排水プロジェクト”を進めてゆかねばならない。時間の掛かるプロジェクトはしっかりとした手順表を作ったら、速やかにそれに従って実行に移して行かねばならないのだ。

そこで私の「計画私案」を順序立ててご説明しよう。

①とにかく【Alps】で処理ミスした8割の汚染水を一日も早く基準値以内の水にすること。
②その8割の分がどの部分か判別出来ないのなら、現状の溜まっている100万トンをすべて再チェック。これが完了したら国際機関の関係者、地元、そして近隣国(韓国、中国)の検査官の立会の元でその旨を実証して見せる。
③この基準値内汚染水を大型タンカー使って「南鳥島」付近にピストン輸送し海に放水する。本案に基づき、猶予期間からタンカーの容積、タンカー数などを決め、日本に既存するタンカーを代用する。更に「南鳥島」に”排水プロジェクト”の出先機関を設置する。
決して汚染水を福島の海岸線で海洋放出してはならない。

<南鳥島>

石油タンカーの30万トン級を使ったとしても、100万トンを割れば4回ほどで済んでしまう計算になるが、毎日数百トンの水を原子炉に流し込んでいる状況下、そんな単純な計算では無かろうが、汚染水処分の目処は立つであろう。

④代用したタンカーと類似な物を国が新規に韓国に発注し、完成したら代用したものに充当する。この問題の解決には近隣諸国の協力と理解が必要である考えの一環。
⑤「南鳥島」をこのプロジェクトをきっかけに、将来の「海底レアメタル採取」の拠点づくりをスタートさせる。現状のように国土交通省・港湾局や経産省・資源エネルギー庁などでコチョコチョ進めるのではなく最重要の”国家プロジェクト”として取り上げ、日本の国境の東端の「南鳥島開発」を積極的に推し進める事が必須である。現在出ているレポートでは合理性、採算性に欠ける、となっているが、目先に囚われず50年、100年先を見据えてプロジェクトを構築せねばならない。

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