SDGs と「昆虫食」

世の中は今SDGs流行りである。SDGsとは国連に参加する193カ国が地球破壊を食い止める為に取り組むべき17項目の目標を2030年までに達成しようとする世界的活動である。最近では国会議員やサラリーマンでSDGsバッジを胸に付けている姿をよく見かける。(下写真)

最近このSDGs活動の中で注目され始めたのが「昆虫食」であるとインターネットの記事を読んでビックリした。この記事によれば、昆虫食がいかに地球を持続可能にする優れものかを次の3点から証明している。①「昆虫は温室効果ガスの排出が桁違いに少ない」こと。動物性タンパク質1kg当たりの温室効果ガスの排出量は牛は3kgでタンパク質の3倍の温室効果ガスを排出。豚は1kg,鶏は300gなのだが、昆虫は何と1gなのでタンパク質1kgに対して1000分の1でビックリ仰天。更に②「飼育するのに必要な水と食料や農地が少なくて済む」こと。可食部1kgを生産するのに必要な水は、牛は22kl(キロリットル)、豚3.5kl、鳥2.3klに対して昆虫は1リットルで済む。可食部1kgを生産するのに必要な飼料は、牛10kg、豚5kg,鳥2.5kgに対して昆虫は1.7g。更に可食部1kgの生産に必要な農地として、牛200㎡、豚50㎡、鳥45㎡に対して昆虫は15㎡で済む。そして③番目「昆虫は高タンバク質を含有している」こと。100g当たりに含まれるタンパク質の量は牛19.4g、豚17g、鳥19.5gに対して昆虫は何と69gで他と比較して3倍以上である。

昆虫食とはすでに私達は「蜂の子」「イナゴ」「ザザムシ」など珍味として食して来てはいるが、これからは「動物性タンパク質」を牛肉、豚肉、鶏肉の代替えとして昆虫が非常に大事になってくる。すでに「カイコ」を使ったハンバーグが六本木のレストランで食べられており(左写真)、また「無印食品」では「コウロギせんべい」などが販売されているが、これから益々「昆虫」が食材として注目されるのだ。

2月26日の東京新聞・社説【虫の力を無視できない】によれば、これから注目される昆虫が「ミズアブ」と言うが、蟻に羽を付けたようなサイズの虫だが、その幼虫を食材にしようと研究が進んでいると言う。ミズアブの幼虫(右写真)は見た目では全く食欲を起こさないのだが、いずれ私達は無抵抗でこれを食する時が来るのであろうが、そんな時代ではきっと「ハエの幼虫」も食しながら味の比較をしている事だろう。現在私達が各種の「佃煮」を食べ比べして楽しんでいるように。

ところでミズアブがSDGsに関連して注目されている理由にもう一つ有るのだ。ミズアブの餌は「生ゴミ」であり、現在大きな社会問題となっている「食品ロス」をも解決してくれそう。本来食べられるのに捨てられている膨大な生ゴミを何とミズアブの餌に出来る訳で「エコ・サイクル」の完成である。しかし「昆虫食品」を商業ベースに乗せるのは簡単ではなく、生ゴミを安定した餌にする技術とか、幼虫の育成環境の確立などまだまだ乗り切らなければならない課題が残こされているが、いずれ近い将来には昆虫君達が食卓を飾ってくれる日が来るのであろう。

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