2009年8月26日 <トッピクス>

◆◆暑中所感『東大・三四郎池で見つけたもの』(7月30日記)

ここに来て怪しげな夏の陽気。太平洋上の夏の高気圧が弱体で本当の夏が遅れ気味とか。これはエルニーニョ現象が予想より早まった為と言っているが。今年は「冷夏」かもしれないと言い始めている。先日の瞬間真夏日であった日、自転車で走り回っていた私はヒョンなことで東大・三四郎池に立ち寄った。そこで味わったほのぼの感、こんな気持ちにさせてくれたのは、なんと久しぶりだろう。

真夏のギラギラと降り注ぐ太陽光線を避けようと、三四郎池を囲む樹木の中に逃げ込む。せみ時雨の真っ只中、池の隅のほうからザワザワと子供たちの賑やかな声が聞こえてきた。

すると私の前に姿を現したのは、なんと奥さん連中で、持っている竿の先にはスルメいかを結わいつけた糸が垂れ下がっていて、その姿にきまづそうにしているではありませんか。
私は一瞬、自分の小さい頃を思い出し、そのお母さんたちの行動をこころから嬉しいと思った。

すぐに子供たちが私に近づいてきて 「おじちゃん、ザリガニ取っているんだよ。」といいながらバケツの中を得意になって見せに寄って来る。どうも一生懸命に取っているのは母さん達だったらしい。

すると池のほとりで釣り糸をたらしていた30歳前後のお母さんが、子供に向って、「ほらこういう風に ザリガニが食いついたと思ったら、ゆっくり、ゆっくりと竿を引きあげるのよ」と教えているではありませんか。私が息子に教えたように。

そしてお母さんの側によって、「いやぁ〜〜大漁ですねぇ〜〜。 今夜はこれのテンプラですか?」と話しかけると、子供たちは <え! 本当????>と不安顔でお母さんを覗き込む。

すると、お母さん連中が、「まっさか〜〜〜ぁ!!」と声を合わせ私に答えると同時に、子供たちに、<安心しなさい>という笑顔を送っていた。そしてその後で皆で大笑いをする。その笑え声が三四郎池の水面に広がって行った。

こういうことをやりに、この炎天下、子供たちを池に連れてくる若いお母さんたちがいることを発見して、私のこころは本当に晴れ晴れとしていたのだ。家路に向う自転車のペダルが軽く感じていた。

◆◆特等席に鎮座ます我が油絵作品【かのひとの祈り】

私が仕事で長野県・伊那市に単身赴任していた時期にお世話になった小料理屋がJR伊那市駅前にある。

写真をご覧頂きたい。大きなショーウインドーの中にライトアップされて鎮座ましていた。この絵の下、左右にあるお皿、花瓶は超骨董品で高額と聞く。その間に挟まれた絵は余りにも格が違うのでは無かろうか。

この絵には我が母の詩『幸せは 忍耐の枝に咲く』が書き込まれており、そして不思議な因縁を持っていた。ここの女将はこの絵の女性が間違いなく自分だと信じている。

私がこの絵を描いたころ、彼女はお正月休み(2004年)を利用して新潟の温泉街に家族で出掛けていたが、経営で気になっていた問題があったので神社でおみくじを買うと、更に離れた神社にも参拝せよとのお告げがあり、シンシンと雪が降る中を夢中になって言われた神社にはせ参じたという。

それから暫く経って、私が描いた絵を見た女将は仰天。
この絵の嫁ぎ先は決まっていたのである。

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