2003年度 作品の世界

2003年6月 人事異動により2年間の伊那単身赴任が解けて、東京本社勤務となる。
しかし仕事の関係で1週間おきに伊那出張を原則としているが、やはり週末を伊那で過ごさなくなってから、極端に伊那での油絵に向かう時間が無くなった。残念な事である。

                  <<御茶ノ水作品>>

作品: 『考古楽』

     副題; 『あんバランスとBalancE』

製作年月日:  2002.8.1〜2003.7.31    サイズ: F6

古代に栄えた地中海のキプロス島の港コウリオンで発掘された一組の男女と子供の遺骨で3人は抱き合っていました。紀元365年この集落を襲った地震で一瞬にして地中に葬られ、発見される日を待っていました。母は子供を胸に抱きしめ、それを夫が守るように覆い被さっています。これが人間の本能と信じます。夫の骨盤は崩れていますが、母の骨盤は永い年月を経てもしっかりと形を残していました。やはり 母は偉大です。 絵に動きを与えるために 子供は生れだての赤ちゃんに表現し、さらに足元に絡みつく蛇を、そして左上には 土に隠れた「悪魔(デビル)」を描き加えました。
この絵が完成しまして、額を捜したのですが、四角い枠のどんな額に入れても絵は引き立ちません。

そこで「なんで額は四角でなければならないのか?」と考え始め、角材とベニア板を買ってきてアンバランスな額を作りそれに絵を入れてみると、なんと期待していたイメージが出て来たではありませんか! つまり骸骨の絵が額にバランスしたのです。

◎2004年清水アトリエ展展示

作品: 『水芭蕉』

製作年月日:  2003年9月3日〜 11月21日  サイズ: SM (23X16センチ)

伊那谷に春がやって来ると、雪解け水が流れ込む湿地の冷たい水の中に真っ白の水芭蕉が群生します。

真っ白な水芭蕉が仏様のように見えて なんとも神秘的です。

この絵はSMサイズですから絵葉書を一回り大きくしたサイズですので、とても可愛らしい絵なのですよ。

◎2004年賀状採用

◎2009年2月平河町

めし処『長五郎』展示中

 

2004年度(申年)の年賀状にこの絵を利用しました。
年賀状の一枚を誤って逆さに印刷してしまったのですが、その時逆さに薄め印刷すれば水面に映る姿が表現出来るかもとアドビのソフトを活用し作り上げました。上手に出来たと自負していますが、如何でしょうか。

                   <<伊那作品>>

作品タイトル: 『怒り (金剛力士像)』

作製年月日:  2003年2月2日〜 9月28日    サイズ:  F4

副題; おかしな世間ではありませんか?
         

怒りが伝わりましたでしょうか?

昨今の世の出来事に対して怒りが込み上げて来まして、この怒りを是非絵で表現したいと考えていた時に『鎌倉武士の起こり』という書物を読んでおりますと、この金剛力士像にめぐり会えました。

よしこれを自分の「怒りの魂」を込めて描いてみようとキャンバスに向かったわけです。怒りが伝わりますか??

それが 伝わらなかったのです。

◎2004年

 清水アトリエ展展示

『アトリエ清水2月展』 開催

油絵教室「アトリエ清水」では毎年生徒の作品発表会が催されます。今年は2月8日〜14日の1週間、会場は「いきいきプラザ一番町」の区民ギャラリーでした。(左写真)
今年の出展は「考古楽」と「金剛力士像」の2作品でした。

沢山の友人に訪ねて頂きまして心より感謝致します。皆様には
関心を持ってご覧頂けたようですが、大方のご感想は、

「何か心境に変化でも有ったのですか?」
「伊那の庵にて悟りでも開こうと言うのですか?」
「金剛力士像から怒りなど伝わって来ません。むしろ優し過ぎます。」

沢山のアドバイスを頂き まだまだ未熟なのだと知らされまして、なお一層絵に魂を入れるよう修行を積んで参ります。

          次へ     TOPページへ