一休みの後、歩き始めるが、どうも芳しくない。明日も歩きが有るのだから無理は禁物と思いながら、ごまかし、ごまかし歩を進めていた。暫く行くとコンビニがあった。「しめた」とばかりコンビニのドアを開ける。早速レジの女性に「この高台の上が飯田線の“伊那本郷”駅だと思いますが、すみませんが電車の時刻表分かりますか?」と聞くと、どうやらコンビニには時刻表が置いてないようで、自宅に電話して子供に時刻表の時間を読ませているようだ。その結果、どうやら駒ヶ根方面の電車は20分前に出てしまったばかりで次の電車はおよそ2時間後と言う。ガックリしながら「それでは タクシーを呼んで頂けますか」というと、買い物をしていた一人の女性客がレジの所まで来て、「丁度私の家は飯島駅の側ですから、そこまでお送りしましょう」と言って頂いた。お言葉に甘えて飯島駅まで車に乗せて頂き、その車中で“塩の道・一人行脚”の経緯をお話し、そして丁度昼めし時間であったので地元の美味しい蕎麦屋「天七」を教えて頂く。天七の前に来ると“準備中”の札が垂れ下がっており、店の中からは人の声が聞こえる。そ〜〜っと戸を開けて「もう終了なのでしょうか?」と訊ねると、「今お客が一杯ですから、オーダーしても時間が相当掛かりますよ。それでも宜しければどうぞ」との返事。今の私は次の電車まで十分過ぎるほどの時間が有るのだ。店の中に入って“大もり”をオーダーする。店の中は地元のグループやら家族連れで大繁盛しており、どうやら店の名前のごとく“天ぷら料理”が有名なようで、その都度天ぷらを揚げて出しているようでこれでは確かに相当時間が掛かりそうと覚悟して待つことにする。いや、むしろ今の私には時間を費やしてくれるので、次の電車の時間待ちには好都合なのだ。それにしても右足の状態がちょっとだけ気になっている。駒ヶ根の駅に着いたら早速薬局に飛び込んで特効薬を購入しようと考えた。更には「こんな状態には温泉だ!そうだ駒ヶ根ならちょっと北に上がれば早太郎温泉郷に“こまくさの湯”(私の“伊那谷お気に入り温泉NO.5“の第2位)があるではないか! よしホテルにチェックインしたら温泉に行こう」という案も浮かんできた。実は今日の夜は駒ヶ根の隣の大田切にお住まいの友人H氏ご夫妻と駒ヶ根市内で一緒に夕食を取ろうという手はずになっている。そうこうしている内に注文の“大もり”が出てきて無心に口に運び込んだ。「うまい!」
飯島駅から電車で駅にして4つ目駒ヶ根駅にて下車、予約してあったビジネスホテル“オオハシ駒ヶ根”に行く途中で薬局に寄り“トクホン貼り薬”と“エアサロンパス”そしてひどい日焼けを保護する“ザーネ・スキンローション”を購入した。薬局を出て商店街を歩いているとおばあさんらしき人が大声をあげて隣の玄関に飛び込んでいく。何事か起きたのかと上を見上げると鯉のぼりがポールから外れて大空を泳いでいた。
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