国道上にある道路案内板によれば駒ヶ根・伊那市間は12kmと表示されていたので、交通の激しい国道をそのまま歩いては昼過ぎに伊那市に着いてしまうので、出来るだけ伊那街道の旧道を見つけてそれに沿って歩いてみようと決めた。H氏に旧道に関する情報を頂き大田切の先の「駒が原」から国道とほぼ平行に走る県道221号線(宮田沢渡線)に入る。やはり旧道は車が少なく、ポツンポツンと昔の旧家が街道に沿って残っているので歩くのが楽しい。
「宮田」付近に差し掛かると前方からウオーキング・グループのような団体が近づいてくる。胸にゼッケンのようなものを付けているのでどこかで“ウオーキング大会”でもしているのだろうか。早速近づいて男3人女2人のグループに声を掛けてみる。するとそのグル−プの男性が「私たちは“塩の道”を歩いています。今回糸魚川をスタートして今日 駒ヶ根で終了です。そこから関西に戻ります。この会の団長は後ろのグループの中にいますよ」とのことで、更に先のほうを見ると確かに数人のグループがこちらに向かって歩いてくる。次の3人グループの内の一人に声をかける。まずは私の方から“塩の道”を一人で静岡県・相良町から歩いていることを説明してから、「今回は駒ヶ根で一旦終わると前のグル−プの方からお聞きしましたが、次は何時ごろ次のルートを歩く予定にされていますか?」と質問すると、その団長さんらしき人が、「全然決まっていません。また時期が来てインターネットで募ってみて人が集まればやるでしょうが、今はいつやるか全く決めていません」との返事だった。今回のグループは京都、大阪の人たち男女8人の集まりらしい。しかし私と同じように同じタイミングで“塩の道”を歩いている人がいると言うことに大変驚かされた。そしてこうして街道ですれ違うその偶然性とその因縁にさらに驚かされた。もし私が国道をそのまま歩いていたら会えなかったのだから。
太陽光線がギラギラ照り続ける県道を歩いて行くと飯田線を横切るところに無人の「赤木」駅があった。踏み切りの脇から電車ホームに上がって待合室に入りベンチにリックを下ろして一休み(10:10)。誰も居ないホーム、電車が来る気配の全く無い無人駅、しかしカンカン照りの中、この待合室には日影が有り、私に涼しさを提供してくれた。10分ほどの休憩を取り、またスタスタと歩き始めた。道は「東春近」を通過しダラダラと下り坂になる。まだこの辺には一部桜の花が咲き残っていて風が吹くとヒラヒラと桜の花吹雪に包まれる。しばらく進むと右手に飯田線の線路が近づいて来る。いよいよ飯田線「沢渡(さわんど)」駅が近い。沢渡駅ではトイレを拝借し、待合室でしばしの休憩(11:20)。次の目的地は「かんてんパパ・ガーデン」で、そこで昼食を取ることにしている。沢渡駅から方向を西に変えて、
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