2000年 作品紹介

ようこそ2000年作品の部屋へ。20世紀最後の年「世紀末」でした。何か世紀末という言葉はハルマゲドンを連想する暗いイメージが強いですね。しかし確かに混沌とした変革期の真っ最中で暗い出来事ばかりが記憶に残っています。

そんな世紀末の作品タイトルは「美(Beauty)」。

製作期間: 

2000年3月〜12月

サイズ:  F12

この絵には次のようなサブのタイトルがあります。

『人類は どんな美しい物を創って来たか 
   人類は美しい地球上に美しい物を残して来たか 
物質文明とは 美しい地球を壊すプロセスか 
   21世紀は 元に戻す文明が開化して欲しい』


この絵は歴史のある写真雑誌 National GEOGRAPHIC 2000年3月号の特集記事「人々を惑わす 美の魔力」からヒントを得て創り上げた作品です。

人類は古くから美の魔力にとりつかれて その快楽を追い求めて来た。美は純粋な喜びをもたらす一方で 心をひどく病む原因にもなる。美しさとは何か それは私たちとって永遠のテーマだ。

パプアニューギニアの高地に住むフリ族の男。下半身はニューヨーク 春のコレクション イザベル・トレドのショーでの「官能的な姿」。背景はトルコ沿岸プリエネのアテネ神殿跡。そして真ん中は売る物を探してゴミあさりをする四川省からの移住者達で豊かさを求めているのだと主張する。左バックはオリュンポス山の麓をひずめの音を響かせながら駆ける雄馬。下のピエロの部分は女性の背中の入れ墨から。

すべての題材ヒントは この写真雑誌の中にあった。(右下)

21世紀よ! 自然豊かな地球を取り戻そうではないか!

<追記> 

私にとっては サイズF12という初めて大型キャンバスに取り組みました。 従ってほぼ完成までに1年を要しました。これまでは「模写」や「スケッチ」からの題材を描いて来ましたが この作品は雑誌の中の写真6種類をヒントに頭の中でイメージを創り一つの絵に纏め上げたもので初めての挑戦です。ファッションショーの床の部分は全くのイメージ創作で氷のように透き通ったボックスの中にホーラー映画にでも出てきそうな気味の悪い入れ墨を封じ込みました。この絵にはすべての美(豊かさ、誘惑、文明)を表現しましたが、それは地球そして心の破壊の物語ではなかったかと問い掛けているのですが お分かり頂けますでしょうか。 お分かりいただけるはずがありません。自己満足ですから。      草々

◎2001年清水アトリエ展出展

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