この世に生を受け82年にもなる。よくもまあ大病も大怪我も無くここまで来られたものだと感慨無量である。決して人生が長ければ幸せと言うことではないが、今年は昭和100年、戦後80年にあたる節目の年と言う。確かに太平洋戦争が終わった後からの80年間、地球上ではあちこちで戦争が勃発している中、日本には戦争が無かったことはラッキーだったと言えようが、しかし国力的には次第に老朽化してしまったように感じていた。
しかしここに来て、日本人による現実離れした出来事がサラリと引き起こされており、何か世の中が生まれ変わるような兆候を感じ始めたのだ。そんな【事実は小説より奇なり】的な事象、すなわち「神技的事実」が米国の野球界で起きたのである。

その代表的な事象は何と言っても「MLBドジャーズの大谷選手」の存在である。大谷選手は「二刀流」をキャチフレーズにアメリカのプロ野球界(MLB)に飛び込んだのだが、今年その二刀流の実力を実証して見せたのだ。ナショナルリーグでミルウォーキー・ブルワーズとの優勝決定戦の第4戦において「ホームラン3発&投げて10奪三振」、更にはワールドシリーズ(WS)に入ってカナダ・ブルージェイズとの第3戦では「4打数2ホームラン&2二塁打、3打点と4敬遠を含む5四球で全9打席出塁」の伝説を作った。そして更に彼の持つ人間性の素晴らしさに賞賛の声が止まらない。彼はMLBの選手たちからも「神聖化された存在」なのである。つまりは彼の真似は誰にも出来ないとMLBの選手達に言わせているのである。

次の「神技的事実」は、昨年に大谷選手と同じドジャーズ入りした「山本投手」である。何と今年のWSで山本投手が第2ゲームと第6ゲームにて“完投勝利”を挙げるが、WSにおいて一人で2回完投勝利したのは新記録である。更に驚きは最終戦の第7ゲームの延長戦において勝利投手となるのだが、WSは4ゲームを先に勝ったチームが米国NO.1に決まるのだが、何と山本投手は一人でその内の3ゲームで勝利投手となったという「神技」を成し遂げたのである。勿論WSにおける最優秀選手(MVP)に選ばれたのは当然である。
何とドジャーズを米国No.1にしたのは偉大なる二人の日本人選手大谷&山本による神技によって成されたのだ。
特記すべきはWS第7ゲームのTV観戦者数はアメリカ/カナダ/日本の3国で5100万人(米国2600万、カナダ1300万、日本1200万)にもなるそうだ。これはこれまでの米国バスケット(NBA)で作った最高TV視聴者数の1540万人の1.7倍という飛び抜けた記録を作ったのである。そうさせたのも上述の日本人二人なのだ。
まさに野球ファンにとって今年は答えられない沢山の神技に遭遇する事ができたラッキーな年として昭和100年が終わろうとしているが、101年目は日本にそして世界にも何か新たな「奇なり」が起きるような予感がするのだが。