ひとりサイクリング第6彈【東京十社めぐり】

今年も暖冬という。天気予報でも2月中旬にも関わらず気温が20度近くまで上がり5月の陽気になるという。そんな話を聞くと何かムズムズとして来るのだ。世間では「地球温暖化」が襲ってきていると騒いでいるが、3月に来る「啓蟄」も早まっているということだろうか。数日前のTVニュースで「河津桜が満開」と現地中継していたが。「よし!春の陽気ならサイクリングに飛び出そう」と決めて天気予報から温かい日と予報していた2月13日(火)を実施日にした。ところで次に「どこに行こうか?」と行程作りである。いつだったか息子から「東京十社巡りをして御朱印を貰っているよ」の話を思い出し、「よし、【東京十社めぐり】をしよう」と決めて地図を見ながら自転車で走るコース図を描き始めた。

<実施前に作った手書き行程図>

私はいつも「ひとりサイクリング」の際には事前に地図帳を見ながら「コース図」を描くことにしている。事前に地図を見ながら道路名、交差点名、名所旧跡の位置等を確認しながら、サイクリングに最適な道を選びそれを1枚の紙に地図として描く事で、コース像を頭の中で把握しておくのも当日大いに役立つのだ。更に当日は通過点に来た際にこの地図をポケットから出して、この用紙に到着時間、出発時間や気付いた事などを書き残しておくのだ。
ところで「東京十社」とは何ぞや? ウィキペディヤによれば『明治維新が成り明治天皇が東京を護るため、そして万人の安泰を祈るための神社として12社を定めたのが始まりだが、第二次大戦後は神社制度が変わるなどしてこの概念も忘れ去られ、1975(昭和50)年になると「昭和天皇即位50年」を奉祝して12の内から23区内にある10社を巡る【東京十社めぐり】が企画され、その後七福神めぐり等と同様に観光的要素を濃くして今に至っている』とのこと。東京十社を私の作った行程順に挙げると、神田明神→山王日枝神社→赤坂氷川神社→芝大神宮→品川神社→富岡八幡宮→亀戸天神→王子神社→白山神社→根津神社の10社だが、人生で今回が初めての参拝となったのは芝大神宮のみであった。

それでは2月13日のサイクリングに関して行程に沿って報告しよう。勿論自転車は私の相棒クロスバイク(コーダブルームRail700)である。

<神田明神>

午前7時40分我が家をスタート、菊坂通りから本郷三丁目に出て本郷通りを走ると左手に【神田明神】が現れる。朝早いせいか境内には人が居ない(7:55)。今日の我が相棒Rail700を本殿正面に連れてきて記念写真をパチリ。清々しく晴れ渡った境内のベンチに座り、途中コンビニで買ったおにぎり2ケにかぶりつく。私のおにぎりを狙って雀が寄ってくる。

<雀がピョンピョン>

おにぎりのご飯粒をピンと地面に飛ばすとピョンピョンと寄ってきてパクリと食いつく。可愛いい。15分ほどの朝食休憩の後、神田小川町に出て靖国通りを右折、神保町交差点を突っ切って九段坂上に出てお花見の時期には人で溢れる千鳥ヶ淵沿いの道を走ると空気がヒンヤリしていて何度も深呼吸をした。三宅坂交差点から青山通りに曲がって赤坂見附へ。ここを左折して【山王日枝神社】に到着(9:00)。本殿の正面には急な階段となっているので相棒には登れないので階段の下で写真をパチリ。階段を上って拝礼を済ませた後、山王下の交差点を地下鉄千代田線「赤坂」駅方面に走り、やがて人混みの激しいTBSビルの脇を通過し「赤坂五交番前」の信号を左折、道は細くなり登り坂がクネクネと続く。

<山王日枝神社>
<西行稲荷と洞窟>

途中で工事現場の人に「氷川神社はこの辺ですよね」と聞くと、「あそこのビルの間に木々が見えるが、あそこだよ」と教わりながら【赤坂氷川神社】の下に到着(9:20)。どうも有名な神社は山のテッペンに建っているようで、今日の相棒を本殿まで連れて行くのが難しいケースが多いようだ。階段の下に気味の悪い洞穴が見える神秘的な「西行稲荷」が有ったので我が相棒を木に鎖で繋げた。我が相棒は重量9kgほどで、鍵を掛けないとヒョイと盗まれてしまうので要注意と購入した時に注意されたので駐輪の際には施錠を守っている訳だ。

<赤坂氷川神社>
<芝大神宮>

ここから次の「芝大神宮」へは東京タワーを目指して東に向かう。まずは一旦六本木交差点に出て東京タワー方向を確認しながら飯倉を通過し増上寺脇を通り大門に来るとその左手に【芝大神宮】が有った。ここでは相棒を道路のど真ん中に引張り出して本殿をバックにパチリ(10:15)。本殿まで上がる石段は短かったので一人で上がって2拝2拍手1拝してサイクリングの無事を祈った。この後は大門交差点に出ると目の前交番の横に「上島コーヒー」の看板が。「よしここで10時の休憩としよう」と早速店に入るとあの何とも言えない匂いが鼻をくすぐった。

<喫茶店の窓から>
<品川神社>

一人2階の窓側に座って窓の外の風景をパチリ。15分ほどの休憩を取った後は目の前の第一京浜(国道15号線)をひたすら真っすぐ品川を目指す。 【品川神社】の到着は11:10。ここも神社は山の上なので、階段の下で相棒の写真をパチリ。山の上に上がると本殿の脇には真っ赤な梅が満開。しかしこの本殿の裏に「板垣退助の墓」が有ることを多くの人は知らない。

<板垣退助の墓>
<富士塚8合目から>

私はここに来たときはいつも裏に回ってお参りをする事にしているのだが、墓の脇の石碑には『板垣死すとも 自由は死せず』(自由民主党総裁 佐藤栄作)と書かれている。ここの帰りはいつも正面階段の脇にある「富士塚」を下りることにしているのだが、東京に数ある「富士塚」の中で眺め的にもここが一番と思っている。

<第一芝浦丸>
<隅田川テラス>

さて「東京十社」の5番目に当たる「品川神社」が今回のコースの南端となり、この後は北に上って行く事になる。まずは「北品川二」の交差点を左折して「天王洲アイル」を目指す。この交差点に出て「海岸通り」を左折、高速道路の下をただひたすら北上、頭の上を「東京モノレール」が並走しているが暫くすると右手に突然古船の姿が現れる。船名は「第一芝浦丸」と船側に書かれており、説明板によれば、『大正15年の建造で関東大震災の復興を契機に東京湾の整備に使用された曳船だそうで昭和49年に廃船となりこの東京湾建設事務所の地に保存されている』と言う。

<鳩の乱舞>
                  <カモメの囀り>

芝浦ふ頭の側を通過し次に右側に「浜離宮」が現れる。「汐留出入口」の所で右に大きく曲がり「新大橋通り」に入ると築地場外市場の側を通り「築地本願寺」を通過し「入船橋」の交差点に出て右折して「永代橋通り」を東に進む。しばらく行くと「佃大橋」に出るのだが丁度橋の袂辺りで工事をしている為か、どのように自転車で渡ったらいいのか迷ってしまった。やむを得ずそのまま直進すると隅田川の土手に出たが、そこが「隅田川テラス」への入口となっていてラッキーな事に目の前にトイレがあり、その脇から橋を渡るための歩行者用通路が有ったのだ(13:00)。そのテラスのベンチで隅田川を眺めながら、途中のコンビニで買った菓子パン2個で昼食代わりとした。隅田川を行き交う船もなく何という長閑さだ。暫くすると遊覧船が佃大橋を潜って水しぶきを上げて通過してゆく。私のパンくずを求めて鳩やカモメがそばに寄って来て賑やかに飛び回っている。彼らと一緒にパンを食べながら幸せを感じる一瞬だった。

<富岡八幡宮>

この後は佃大橋を渡り最初の「初見橋」交差点を左折し「清澄通り」を北進し「門前仲町」の交差点を右折するとすぐに【富岡八幡宮】に到着(13:45)。もう午後2時が近い。今日中に10社回れるか甚だ不安になってくる。予定より時間を要している理由に①年齢と共にお尻の肉が少なくなった為に自転車のサドルから伝わってくる振動でお尻が甚だ痛い。②体力的にそして年齢的配慮から自転車走行の安全を考えてスピードは以前と比較して完全に落ちていることなどが理由であろうか。ここでは我が相棒に付ける「交通安全お守り」を購入して相棒のハンドルに下げた。御札を下げた我が相棒が何かキリットしたように感じた。これからもよろしく。

<亀戸天神>

ここからは永代橋通りを直進し「三ツ目通り」を左折して北進するとすぐに「木場公園」が右側に出てくるが、都立木場公園前の交差点を右折して次の「四ッ目通り」の交差点に出て左折する。暫くすると「小名木川」を渡り次に「新大橋通り」を突っ切ると鉄橋が見えてくるが、鉄橋の左がJR錦糸町駅で、ガードを潜り「大平四」の交差点を右折して蔵前橋通りに入るとすぐに左側に【亀戸天神】が現れる(14:40)。
丁度「梅まつり」の最中で平日にも関わらず大勢の人が出ていて境内は賑やかだった。

<菅原道真公>

しかし私の足にチョット異変を感じて何かおかしい。この辺で遅い昼飯でもと周りを歩いてみるがなかなかレストランが見つからない。ラーメン屋は無いか、定食屋は無いかと、足の異常に耐えながら歩くも食事処は見つからない。足が攣りそうになってくる。「これはヤバイ!」
亀戸天神の祀神は「菅原道真公」で九州太宰府の天満宮が本家に当たり、江戸時代になって天神信仰を広めようと各地に社殿建立が行われ、本所亀戸の地に東の宰府として「東国天満宮」を建立、それが現在の「亀戸天神社」となっていると言う。「よし、今日のこの後の行程を継続するかを菅公さんにご裁断頂こう」と【菅公みくじ】を買った。おみくじを開いて見ると運勢は「小吉」でそこには『無理をせず時の来るのを待ち、身を守る事』と書かれていたので本日のサイクリングはここで、すなわち7社目で一旦終了と即断した。

<王子神社>

その3日後、天気は快晴、しかし春一番が吹いた翌日、つまり春二番目の北風の強い日に残り3社を回るサイクリングを実施した。家を11:40に出発、本郷通りを飛鳥山に向かって北進。正面から強い北風が吹いて我が相棒も思うように先に進んでくれない。ヒイヒイ言いながらペダルを踏んで、それでも12:20に【王子神社】に到着。

今朝ワイフから「それじゃ、王子からの帰りに、巣鴨地蔵の側のお茶屋に寄ってお茶を買って来て」と頼まれていたので、都電・荒川線が走っている飛鳥山交差点まで戻り、そこから「明治通り」に入る。暫くペダルを漕ぐと西巣鴨の交差点に出て国道17号線(中山道)を突っ切り、次の信号のある「掘割」を左折、この道が「旧中山道」でそのまま直進すると都電の「庚申塚」駅の所に出て踏み切りを渡ると「地蔵通り」に入りその中程に行きつけのお茶屋がある。頼まれていたお茶を購入してホットすると同時に空腹感が襲って来たので地蔵通にある中華定食屋に入って「肉野菜定食」を注文、うまかったぁ!(13:10)

<白山神社>
<根津神社>

この辺からは私に取っては“お庭”のようなもので地図を見ること無くスイスイと自転車を走らすことができる。中山道(白山通り)を直進し途中の千石で「旧白山通り」の方に入り白山上に出る。白山上の三叉路を右に坂を下り、坂の途中で右に入ると突き当りが【白山神社】(13:30着)。車を本堂脇まで運んで記念写真をパチリ。さてさて最後は「根津神社」になるが、一旦白山下に出て八百屋お七の墓がある「円乗寺」の道に入って浄真寺坂を上り、中山道に出るが、そこを突っ切り本郷通りに出て右折、すぐに左に入る日本医大への道を進むと右手に『東京十社』の10番目【根津神社】が現れる(13:50)。境内の一部で大工事が行われていたが、そばに寄って案内板を読むと、上野の不忍池の側の「水月ホテル」の敷地内に有った「森鴎外旧宅」を、水月ホテルの閉館に伴いそのまま根津神社の敷地に移築することになりその為の工事だったのだ。

さてさてこれにて「東京十社巡り」の報告は終りとなるが、天気予報で春の陽気と聞き突然サイクリングに飛び出したのだが、実は自分の体力チェックが本当の目的だったのだ。お陰様で今回の「ひとりサイクリング」の挑戦でまだまだ我が気力・体力は大丈夫なのだと確認が出来た事がはなはだ嬉しい。 

サンキュー!!

ひとりサイクリング第6彈【東京十社めぐり】” への2件のフィードバック

  1. 相変わらずのご活躍ぶり、素晴らしいですねえ。
    東京十社の内私が訪れたことがあるのは6社くらいでした。長年東京で暮らしながらこの程度の
    信心深さじゃいけません。
    ということで、私は再度の心臓弁膜症手術(三尖弁閉鎖不全症)のため昨日入院、26日手術の予定です。ダヴィンチというロボット手術で二度目になりますが、再手術、高齢者であるため、前回ほど
    簡単では無そうです。
    ご自愛の程を。

    1. いつもコメント有難うございます。え!もう一度心臓の手術をするとお聞きしビックリです。26日の手術をうめ太さんの持つ気力で乗り切り、無事に終わることを切願しております。また4〜5月になりましたら「こしの会」メンバーでお会い致しましょう。

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