日本エネルギー政策 まずは【倹約】でしょ!

昨年12月に日本政府が【グリーン成長戦略】を発表した。この骨子は「2050年の脱炭素社会の実現に向けた政府計画」だが、この内容が実に甘いのだ。お粗末なのが「エネルギー戦略」だが、2050年になっても日本は「小型新型炉」を開発し続け、それを使ってベース電源にしようとしている。全く東日本大震災での苦い経験を活かそうとしていない。

恐ろしいことに現在の原発で3基が稼働中で、上の図にある橙色の13基は新基準適合しており条件さえ揃えば稼働に入ろうと企んでいる状態に有るのだ。原発から毎日排出されて溜まった「核のゴミ」を一体どのように処分するのだろうか?更に「再生可能エネルギー」に就いては、”最大限の導入を図る”といった緩い言い回しでお茶を濁している。日本の「エネルギー戦略」として、2050年(いまから30年も後)で、再生エネルギーで5~6割、火力と原子力で3~4割、そして水素とアンモニアで1割を賄おうと目標を立てている。この有様では30年後には、他先進諸国から大きく引き離され「脱炭素社会」には到底変身出来ていないであろう。特に注目すべきは「再生可能エネルギー」では「洋上風力」発電に重点を置いており2040年までに最大4500万キロワットと原発45基分にあたる量を目指すことになっている。しかし現状の取り組み体制を鑑みれば、風力発電は目標通りには進まず、結局は足りない分を原発がカバーする結果となってしまうのではなかろうか。

実はこの結果が「原子力ファミリー族」の狙いなので、「再生可能エネルギーには最大限頑張る」といった生ぬるい表現になっているのかも知れない。更には「グリーン成長戦略」の中でドイツがすでに達成してる【デカップリング】に取り組んでゆくと声高々に言う。経済成長に比例してこれまではエネルギー消費も増えて来た訳だが、それを切り離す(Decouplingする)考え方であるが、日本のような生ぬるい対応でこの切り離しは至難の業であろう。

そこで提案だが、日本の勤勉な国民性から、産業界も各家庭もまずは「電力消費」に対して【倹約令】を出してはどうか。50年ほど前に民間シンクタンク「ローマクラブ」が警告していたように、我々はすでに「成長の限界点」を越えているのだから、これからは”成長を追いかける戦略”は自ずと首を締める結果を齎すのであるから、我らが心の奥底に持っている【少欲知足の精神】を表に出して、思い切った「電力量削減策」を出してはどうか。つまりはまずは私たち一人ひとりが使う量を減らすと言うことだ。例えば大型企業も中小も運輸業界もメディア業界も、そして家庭もすべてで電力消費を現状より15%削減する、と言った【倹約令】の基で国民が一体となって取り組んでゆけば2050年後には他国からも尊敬される国になっている事だろう。
我々は3・11「東日本大震災」の時に、国民皆んで「計画停電」そして「電力15%削減」を実施して立派に乗り切った経験が有るのだから。

このブログを書いた翌日(1月28日)に2つの記事に巡り合った。一つはWEBニュースだが、菅総理がバイデン大統領と深夜に行った電話会談で「新型コロナや脱炭素で協力を確認しあい、大変によい会談だった」と言っていた。くれぐれも後になって恥をかかないように進めて行ってほしい。
2つ目は、朝刊の記事だが、経産省が「エネルギー基本計画」を見直したいので国民の意見を受け付ける『意見箱』をHP上に設置したという。 さてさて、私としてどうしようか。

コメントを残す