酔っぱらい鯖街道と酒街道

<鯖街道京都・出町柳口>

私は2005年から2007年に掛けて【塩の道】を、次に2010年には【鯖街道】を一人行脚したのですが、「塩」と「鯖」とくれば、後足りないものは「酒」でしょ!という事で、2018年6月に宮城県・気仙沼から山形県・酒田までを【酒街道】と名付けて20の酒蔵を訪ねながら「ひとりサイクリング」を敢行して参りました。

ところが驚きです。現在は福井県・小浜市から京都に向けて「酔っぱらい鯖」が下って来ているとの事です。私は確かに【酒街道】を旅して美味い日本酒を楽しみましたが、まさか「鯖」が私の真似をしているなんて信じられません。ところが本当に鯖が私の真似をしていたのです。

<田烏の養殖場>

江戸時代から小浜は京都へ極上の鯖を献上する「鯖の聖地」だったのですが、近年漁獲量が激減し、今では99%がノルウエーや九州などの県外産となっているそうです。
私が【鯖街道】を歩いた6年後の2016年、小浜市で「鯖復活プロジェクト」が生まれ、小浜市田烏(たがらす)の釣姫(つるべ)漁港にて養殖事業が始まったそうです。従来のようにイワシなど生の餌を与えるとすぐに大きく成長しますが、脂っぽさ、水っぽさ、生臭さなどが出てしまうので、そこで京都の「松井酒造」で醸造した純米大吟醸酒の「酒粕」を使ったペレット型配合飼料を鯖に与える実験を繰り返して、小ぶりサイズながらも脂の乗りも丁度いい刺し身としてもピッタリの鯖作りに成功したそうです。

この鯖を「小浜よっぱらい鯖」と呼び大人気だそうです。つまりは現代の「鯖街道」は、京都から「酒粕」が小浜に下り、そして「よっぱらい鯖」が京都に上っているのです。

よし、今度は京都を訪ねたら美味しい「よっぱらい鯖」の刺し身と美酒を満喫する事にしよう。
(写真/ロゴはWebから拝借しました。)

コメントを残す